週間少年チャンピオン連載のヒイロの単行本の最終巻を2〇年以上も読者諸君にお届けできなくて誠に申し訳ありませんでした。しかし8月2〇日にやっとイーブックから発売できる運びとなりたいへん嬉しく思っております。
さて話は2〇数年前にさかのぼりますが、ヒイロの連載終了間際3ヶ月前に秋田書店の少年チャンピオンの担当のA氏に、きちんと最終話が入るように間違いなく計算してくださいとお願いして、僕としてはA氏に言われたとおり第2〇巻が出るようにページ合せをして最後まで描ききりました。
しかし、いざふたを開けたら単行本にする枚数が、まったく足りません。
「いったい、どういうこと?」とA氏に聞いても「すいません」と言うだけ(どうも彼は山にきのこを採りに行くのが趣味で真剣にページ計算をするのを忘れたらしい)
この時は少年チャンピオン名編集長のK氏が「なあに読み切りの続編をちやっちやっと描けばすぐに出せるよ」と
決着しましたが、その後僕は続編をとうとう描きませんでした。
そしてやがて秋田書店の仕事も遠のき、ズルズルと2〇数年たちました。
もちろんその間に少年チャンピオンで描いた生原稿は全て返却されましたので僕としては当然ヒイロの生原稿も
全部返却してくれたと思っていました。
そしてこの度ヒイロがイーブックで電子配信することになったので、やっとラストまで読んでもらえると喜んで
会社の倉庫を調べましたが、なんとページが足らなくて単行本にならなかったラストの部分が、いくら探しても
見当たりません。
おそらくまだ秋田書店にあるとは思いましたが、なんせ2〇数年前も前のことで知ってる当時の編集者はほとんど
退職してしまい、いったい誰に頼んだら良いのやらホトホト困り果てていたところ、僕のデビュー当時、暴力大将の担当をしてくれた元編集長のO氏の年賀状が今年きていたのを思い出し、早速電話してお願いしたところ快く
「俺に任せろ」と言っていただき、23~4年ぶりに秋田書店の倉庫に眠っていた「ミラクル怪人ヒイロ」の
幻の原稿を発見することができたのです。
ここに改めて御礼申し上げます。
��氏、本当にありがとうございました。
またご協力いただいた秋田書店のH氏にも感謝いたします。
7月吉日 どおくまん記