2013年5月1日水曜日

『嗚呼!花の応援団』 録音式漫才回想録

どおくまんプロ出演者
超物忘れ聞き手→小池たかし
超気まぐれ作家→どおくまん  
超おとぼけ合いの手→みわみわ


みわみわ
はじまりました。デジタル録音回しましたよチンチン。

どおくまん: 
ハイハイ。あのーチンチンて何?どういう意味?

小池たかし: 
オホン、あのーなんか応援団についてのお話をそのーしてほしいというご依頼があったんやけど。

どおくまん: 
どういうところから依頼があったの?チンチン。

小池たかし: 
あのーチンチンはやめたほうが…なんでも旅行業やホテル業の労働組合が出してる…

どおくまん: 
ほう旅行ねぇ…旅行といえばあれやね…どプロの創立時にあの、4人しかいなかったけど、最初  に 旅行に行ったよね…その話しようよ、チンチン。     

小池たかし: 
…ハア~?いきなり飛ぶんだから。

どおくまん: 
あれはどこやったかな?

みわみわ
あれはね、えーっと日本海…。

どおくまん: 
えーっあーっ、ゴ○○民宿!あの時は若かったねぇ、夏で、海で、砂浜で。

みわみわ
そうそうそう。

どおくまん: 
車で行ったん?

みわみわ
車やったかなぁ。

どおくまん: 
ははは、車とちゃうかったん?なあ小池?

小池たかし: 
全然覚えてへんのやけど…。

どおくまん: 
あの旅行は確かみわみわが旅行案内書かなんかで調べて行ったんやなぁ?

みわみわ
そうそう向こうで一泊して…なんかビールとか、えらい飲んで…。

どおくまん: 
ビールが足らんようになって、夜中に母屋へ、覚えてへん?ビール取りにいって、冷蔵庫の中、  空っぽになって、帰るとき請求書についてなかった、ビール瓶いっぱい並んでるのに。

みわみわ
それは古き良き時代やったんやなぁ~。


どおくまん: 
釣りも覚えてる?小池?

小池たかし: 
覚えてない…それよりそろそろ応援団の話を…。

どおくまん: 
応援団?興味ないなぁ…。

小池たかし: 
ええっ~!?いいの?そんな事言って!

みわみわ: 
確か民宿で船、出してもろてね。キス、みんな釣ってたと思うけど、俺はとにかくキス釣れて、上げたらイカに食われとったんよ。半身になってて『あっ、イカに食われてるわ』と言われて、その後イカも釣れたような気がするんやけど

どおくまん: 
晩に刺身食ったよね。あんなけ何時間も釣ってキスの刺身一皿くらい、みんな一口づつやったわ。

みわみわ: 
キスってさあ、身が少ないから。

どおくまん
あそこどないしてるかなぁ?あれからウン十年、まだ営業してるんかなぁ?
 
小池たかし
コラッ!もう絶対、応援団の話をしてよ!
テーマその①、応援団文化とはいったい何だったのか?について…。

どおくまん
あの旅行から帰ってきてからや、急にいそがしなったん。

小池たかし
ハア~?無視??

どおくまん
それまでは、うちも暇やってん。あのーちょうど、ゴ〇〇民宿行ってる時は、月刊少年チャンピオンに暴力大将、連載してたんやけど、全然注目されなくて…ほんで旅行から帰ってきて黄金探偵をヤングコミックに描いたら、なんと電話鳴りっぱなしや。どこから調べてきたんやろかというぐらい、出版社から連載の依頼が殺到したんや。

みわみわ: 
そうやったそうやった。

小池たかし 
全然、覚えてない…。


どおくまん 
で、その中からこっちで選んで、漫画アクションに決めたんや。当時アクションいうたら、最新のね、いろいろ話題の作品があった、子連れ狼がちょうどやってて…。

みわみわ: 
青年誌が一番元気な時やったなぁ。

どおくまん 
それで嗚呼!花の応援団の連載はじまったんや。

小池たかし 
オッやっと本題に近ずいてきた。

どおくまん
思い出すわ、忙しくなったねぇーその後は。

みわみわ: 
なんやかんやですごかったんとちゃう?プロダクション全体で常時月間で20くらい連載持ってて、ピークの時は月産で550頁はこなしてたよ。人間技じゃなかったね。

小池たかし 
あのね、忙しかったんはわかったから、応援団文化について語ってよ。当時、応援団には、しごきとか、絶対的な上下関係とか、喧嘩、理不尽、白い物は黒と、そういうことが日常的になぜあったのか?答えてよ。

どおくまん 
うーん、そういう時代だったんじゃないの?つまり、まだ一部に残っていた美しき?当時の風潮じゃなかったの?そうやねぇーそういえばうちのプロダクションでも、応援団みたいなね、
なんか直接暴力的シゴキはないけども、みんなほとんど寝てなかったし、応援団以上に、なんか出版社やファンや社会にしごかれてる、3日連続徹夜なんていう理不尽にも耐えたよなぁ。だから、そういえば、思い出すなぁ、とんでもなく忙しいのに、慰安旅行は行ったよなぁ。
  
小池たかし 
…はあ…?また旅行の話?


どおくまん 
確かまた、みわみわの企画した旅行で、なんかとんでもない所に行ったよなぁ、どこやった?

みわみわ 
あー行った行った、あれは…なんとか峡?船で、船でしか行かれへんところ。

どおくまん 
あー大阪から当時の国鉄に乗って金沢まで行って、金沢からバスで2~3時間乗って…。

小池たかし 
全然、覚えてない…。

どおくまん 
そっからまた、小さい船でまた、一時間か二時間ぐらい乗るやつやろ。

みわみわ
川いうか、湖…、せき止めたような変わったとこやって…。

どおくまん 
秘境や、日本の秘境…、名前が…?出てこんなぁ…。




みわみわ 
山が高うてなぁ、川でしか行かれへんような…。

どおくまん
それでドンドン、山奥に入って行くにしたがってやね、40人くらい連れていったアシスタントの顔色が全員変わってきたもんねぇ。

小池たかし 
何で変わったん?

どおくまん 
あはっいや、やっと休みで遊べるというとこにもってきて、こんな、とんでもない秘境みたいなとこへ連れてこられるいうのは、ハハハ、あんまり、ええ気持ちやなかったんとちゃうの?

みわみわ 
みんな田舎から出てきて、都会に来てんのにまた休みに田舎に連れて行かれるんやもんな。しかもなんもないとこや、ポツンと宿が一軒だけ…。

どおくまん 
2日目のお昼くらいやったかなぁ、アシスタント連中がもう泊まりたくない、帰ると言い出して。

小池たかし 
え?嘘?2泊もしたのそんなとこで、全然覚えてへんわ、ハハハ。

どおくまん 
確かみんな、何でこんな所で貴重な休みを潰さなあかんねんと怒りだしたんや。

みわみわ 
そういうたら、熊の足跡あった、雪が降っててさ、旅館の人に聞いたら、これは熊の足跡やから表に出ん方がええですよって。



どおくまん 
俺はずっとそのダム湖で釣りしとった。

みわみわ 
え?釣りしてたん?どこで?

どおくまん 
旅館の下のとこで、足場見つけてずっと釣りしてた、釣った魚を晩にみんなで食べた、臭かったなぁ、晩飯にでてきたあれや、なんちゅう魚やったかなぁ、なんかどこにでもいる魚や。

みわみわ 
まずかった…。

どおくまん 
なんか、旅館の中居さんが夜中に酒に酔って、階段の上から、股、広げて若いアシスタント連中に何か言うたとかいう話を聞いた事があるわ。

小池たかし 
あーそれ覚えてない。

みわみわ 
誰か言うてたような気がするけど、覚えてへん。

どおくまん 
あー大〇温泉や!

みわみわ 
そうそう大〇温泉や!




小池たかし 
やっと思い出した所で本題に戻ってよ、えーっと次は、応援団を描いたきっかけについて。

どおくまん 
きっかけ?うーんきっかけねぇ…まあそれはやね、当時みんなで企画を出し合ったりしてストックしていた何本かの連載候補の案の中から俺がアクション向きだと選んだのが、たまたま応援団の   
話だったという事かなぁ。

みわみわ 
原案は太地大介やったね。

どおくまん 
当時、応援団の漫画なんて、誰も描いてなかったからアクションで、これをやってみようと…。

みわみわ 
しかもギャグだしねぇ。

どおくまん 
ほんで描きはじめたんやけど、さすが初の週刊連載はきつかった。俺、当時他にも月刊誌と隔週連載も持ってたしね。


みわみわ 
最初はどおくまん一人で全部やってたもんね、いっぺんに月190頁くらいの仕事量になったわけだね。

どおくまん 
いやーきつかった、連載3~4回目から、もう応援団のネタに詰まって、苦しかったのなんのって、毎回もうヘトヘト、もう来週はアカンやろ、出来ないやろの連続で…もうやめたいと…


みわみわ 
まあ、とにかく、なんやかやと応援団の連載中は忙しかったよなぁ。

どおくまん 
けど、もう忙しさに少しはなれた、連載2年目の時にやなぁ、思い出すわ、夏休みとったやろ2週間くらい。

小池たかし 
ハア~?休み?…ひょっとして…まさか…。

どおくまん 
お盆休みで、どっか旅行、行ったやろ。

小池たかし 
ひぇ~!また旅行の話か~!?

みわみわ 
沖縄やろ、与論と2週間行ったね。あれ、よかったねぇ。

小池たかし 
脇道にそれないで!せっかく盛り上がってきたし、ちゃんと応援団の話を最後まで続けてよ~トホホ~。

どおくまん 
あの当時、俺が大の飛行機嫌いで、意外と船で行くツアーが、流行ってて、船で与論島まで直航便、あったよなぁ。

みわみわ 
そうそう、それで船に乗ったらビックリしたんが、黄色いТシャツ着た女の子のツアーの群れが、ウワーッとおったやんか、何百人とおった、金魚みたいに。

どおくまん 
おったおった、オレら若かったから、特に小池なんか、一番色めいてたねぇ。




小池たかし 
オホン!まあーあんまり覚えてない…。

どおくまん 
うほっほほ、覚えてないの?マジで?

小池たかし
お、覚えてないなぁ…。そ、そんな昔の事は…古い話やし…。

みわみわ 
まあ、自然は綺麗やった印象はあるね。

どおくまん 
あー沖縄の海は最高に綺麗やったし、サンゴ礁、澄んだ水でねぇ、楽しかったなぁ

小池たかし 
なあ、頼む!、さっきの続きをやってよ!、次は、応援団を描くにあたって、参考にされたリアルな現実とは、なんだったのか?




どおくまん 
心底、薄情やとおもたわ。人間は信じられへんというのを、俺はあそこから、ずーっと持ってるわけや。
そして最後、俺がね、マジで今日帰らないと、締切に間に合わへんという最後の日に、台風が一番強かった、
その中で飛行機にたった一人、決死の覚悟で乗ってねぇ…。


小池たかし 
あーあー。

みわみわ 
そりゃー大変や。

どおくまん 
乱気流に何度もまきこまれて…。

小池たかし 
あーあー揺れた?

どおくまん 
大揺れや。

小池たかし 
えらい目におうたわけやなぁー。

みわみわ 
かわいそうに…。

どおくまん 
そういう記憶、残ってるわ。憎しみのね…。

小池たかし 
ほんまー、まあ昔のこっちゃからねー。

みわみわ 
誇張もあるやろし、アハハハー。




どおくまん 
そして、応援団の連載も3年すぎて、体験談もほぼ出尽くして、結局連載は終了した。
最後の方はもうネタがないのに描くのが辛かった。

小池たかし 
ネタがないのが辛いと思うわ、確かにね。

どおくまん 
だからまあ、その中の光は、何かということやね。次の連載に向けての休暇と、旅行の事を考えた。
俺は旅行好きやね
小池たかし 
好きやねぇ。

どおくまん 
何とかまとまった?

小池たかし 
えっ?話として…えーまあ…ある意味では、ほとんど、旅行話になってたけど、ハハハー。

どおくまん 
またみんなで行こかー!旅行に!

小池たかし&みわみわ 
ぜひ、みんなで楽しく行きましょう!

追伸
どおくまん 
『鳴呼!花の応援団』を、もしまだ読んだことのない人がいたら
人生最大の損失かも?
ぜひインターネットのイーブックの電子書籍で
強烈な笑いと涙の真実の青春エキスを体験してね。
ホナ、バイバイ~。

           レジャー・サービス産業労働情報開発センター季刊誌
『SQUARE春号』より

0 件のコメント:

コメントを投稿