小池たかしの寝言 『 奇跡のリフティング 』その②

怖い先輩の見てる前で、連続１０回のリフティング・テスト…。

ボクは辛うじてヘッディングでポコポコと成功…。

しかし問題はＳという男。

この男はド素人どころか、蹴ったタマがどこへいくか
わからんというぐらいのヘタさ。

毎回このテストでは、手酷いシゴキにあっていました…。

みんな注目の中、Ｓのリフティングが始まりました…。

みんなで数を言います。

『いっち――』

まず１回目からボールを２ｍ程上げてしまいました。

アア、こりゃだめだと思いましたが
かろーじてボールに追いつき蹴り上げました。

『にぃ――』

ところがそのボールが今度は５ｍ程上に上がり
しかも向こうの方まで行ってしまいます。

Ｓは必死で追いかけ、なんとかボールの落下点までたどり着くと
また蹴り上げます。

『さ――ん』

ところがそのボールがまた２０ｍ程向こうに…。

かくして我々サッカー部は
奇跡のリフティングを目撃する事になったのです。

続く